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『記憶のランタン』


 遠い過去へとテントを張って
 ひとりキャンプの夜もある
 風に凍えて料理をすれば
 会いたい人らの笑い声
 聴こえてくるから…酒を呑む

 シャイで恋など得意じゃないが
 忘れられない人もいる
 焚き火のようにゆらゆら燃えて
 苦しみさえも愛しくて
 死よりも恐れた…別れだった

 記憶のランタンかかげて歩く
 森や川瀬や田んぼ道
 友や恩師にゃ不義理のままで
 情けないこの身が恥ずかしい
 今の我が身を…墓にしたい

 ひとりキャンプも夜明けがくれば
 記憶のランタン火も消して
 高台に立ってコーヒー飲めば
 虫や鳥とも話する
 あなたを死ぬまで…心に抱いて


11/18/2025, 11:00:13 PM