忘れられない、いつまでも。
それは、呪いによく似ていた。
まるで昨日のことのように美しく、鮮明に思い出されるのに、それがひどく残酷で。
覚えていることが罪になるのならば、自分は前世で一体何をやらかしたのだろう。
どれだけ上書きしようと思っても、上書きされることはなく、むしろ積み重なって、忘れることを許してはくれなかった。
どんな些細なものでも、記憶に蓄積され、脳の容量の限界まで記憶される。生きているうちに限界が来ればいいが、きっと来ないのだろう。混乱しそうなほどに頭の中は色んな記憶で溢れかえっているのに、それらを忘れそうになることは、まだない。
忘れられない、いつまでも。それは私にとって呪いそのものだった。
5/9/2023, 2:14:01 PM