幼い頃、ドラマで火葬場の煙を「あの煙がおじいちゃんなんだよ」って言っていたのを覚えている。
でも実際は煙なんて出ないし、煙がおじいちゃんな訳でもない。
大人になるにつれて私はそういうものだと受け入れていた。
窓の外は雲が空を覆っていて、あと1時間後には雪の予報に変わるらしい。
(あの空に煙が立ち上っていれば、本当なのかもなんて考えられたのに)
雪が降る頃には、私のじいちゃんは骨になって出てくる。ガンで溶けていると言われたのに拾えるんだろうか。
今頃一緒に入れたタバコを心置きなく吸いながら、上で大好きな柿ピーを食べているに違いない。
入院しなければ...退院の希望を出していれば...
頭を占めるのは無数のたらればと、それを否定する言い訳。
雪がやみ、曇りが晴れ、草木が芽吹く頃には気の落ちどころとやらを見つけられるだろうか?
外ではもうチラチラと雪が降り始めようとしていた。
3/23/2025, 3:37:00 PM