「せめて来る時は一言欲しいかな〜って思うんだ」
「わりィ。ちょうど相棒の家の前通ったからさァ」
突然、家に来たこの男は†13†(サーティーン)だ。同じ学校に通っている親友だ。
「突然来てもいいけどさ、最低限10分前とかに連絡ちょうだい。」
「わかったわかったァ。次からは気ィつけるよ。ほらよ、相棒の好きなお菓子買ってきたぞ。」
本当にわかってるんだろうか…。突然来られると普段は、Tシャツにパンツといった超がつくほどズボラな格好だから困るんだよ…!
とりあえず13が買ってきたお菓子を見る。私の好きな物をしっかり理解している…!お菓子ひとつで機嫌をなおしたチョロい奴と思われかねないが、ここはひとつ手を打とうじゃないか。
「まぁ今回はこのお菓子に免じて許そう。」
「ありがとな。ところで相棒、話変わるんだが…。」
「その、家だとずっとそうなのか…?」
改まって何を言われるんだ…!と、思わず身構えてしまったが案外呆気のないものだった。他のやつなら「ちゃんとジャージとか履いてるよ〜。」なんて言うのかもしれないが、相手は気心の知れてる13だ
。「いや、むしろ履いてないよ。パンツだよ。」なんて言ったら、「は?!」と驚いて固まってしまった。
「他のやつ来てもそんなんなのか…?」
「いや流石に服を着る。」
そう言ったら13はえらく安堵して「そーかよ。」とぶっきらぼうに言った。
「いいか?俺以外のヤツにそんな格好見せんなよ?」
「なんでさぁ?見せるわけないじゃん。」
次の瞬間13の顔が見たことないほど赤くなった。
「そりゃ…、相棒の事が…好きだからだよ…!」
「?!」
ほぼ告白のようなものを言い放った瞬間に13は逃げるように出た。追いかけようと考えたが、驚きすぎてそれどころじゃなかった。まさか両思いなんてね…!
そんな感じの夏によくある話。
【突然の君の訪問。】
8/28/2022, 11:38:35 AM