【太陽の下で】
生まれつき、肌が弱かった。陽の光に当たると火傷したみたいに痛くなるから、小さい頃からずっと閉め切った家の中にいた。外からはいつも、子供の笑い声がしていた。外の、太陽の下で無邪気に笑える声が羨ましくて、「どうしてぼくはおそとにいっちゃいけないの?」なんて親に問いかけたこともあった。「ごめんね。」と泣きそうな顔をさせてしまったから、それ以来一度も言っていないけど。日向ぼっこがしたい。
それでも、羨ましいものは羨ましい。日傘というものを知って、外に出ることはできたけど、外を駆け回ったり、日向ぼっこをしたりは絶対にできない。夏は外に出るだけで一苦労だから、夏は嫌い。冬は好き。陽の光に当たらないように厚着しても、みんな厚着してるから目立たない。外でみんなと遊びたい。
陽の光は、世論ではあたたかくてやわらかいものの象徴だけど、ぼくにとっては、ぼくの全てを焼いて、灼いて、消し去ってしまうものなんだ。でも、それと同時に、憧れだった。どうしてぼくだけ太陽に嫌われたのかな。みんなは良くてぼくは駄目なんて。
太陽の下で、みんなと。
11/25/2023, 11:06:35 AM