村人ABCが世界を救うまで

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男は恋愛感情が無くても抱けるんですよ。好きかどうかじゃなくて、この仕事をしていると、抱けるか抱けないか、です。
貴方が一番知ってるからとんだ皮肉ですけどね…。

貴方を力付くで抱いて、僕の色に染めることは可能です。時間をかけて甘く溶かすほど愛することも可能です。
でも、僕たちはそんな関係じゃないです…。気の毒に思ったんです。もっと。貴方の体は優しく扱われるべきなんです。痛ましくて、見ていられません…。

心は大荒れ(透明)




その数日後に、男の狂気と、懐の広さと温かさを知った。

きつく抱かれ拘束されていた。体重なんて2倍近くある。きっと加減はしている。でも厚い胸板はびくともしない。
「や…や、やめて…っ」
あっ…と、自分でも驚くほど高い声が出た。
彼は荒い吐息を吐き出しながら、私の髪をなで付け、現れたうなじに唇を這わす。背中に電流のようなものが流れて、抵抗する力ががくりと落ちる。
「行かせません。あなたに、叩き込む…どれだけ大切に思っているか。言って分からないなら仕方ない。そう言ったのは貴方ですよね」
昨日、あいつらに塗られた薬がまだ体内に残っていた。ダルくて、あちこちが敏感になっている。腰を撫でられるだけで声が上がった。
「ひっ…あっ、あっ……だめぇ…っ」
優しい触れ方で、こんなの、初めてだった。そのまま彼の指が背中をつぅとなでる。
「っっやぁ…!!」
顎を上げてあえぐ。
どうして、私の弱い所を知ってるの。
「み、耳、や、やめて…」
おかしくなりそうで懇願したら裏目に出てしまった。逃げようとする度に、引き戻されて、腕のなかに閉じ込められる。こんな彼を知らない…。
「お願い、やめて…私達、戻れなくなるよ!」
「もう遅いです、上司とか部下とか関係ない。ここまで煽っておいてひどいんじゃないですか」
汗が噴き出す彼の苦しげな顔。器用な指が衣服の奥に入り込んでくる。敵わない。その途端に、あまりの力の差に愕然として脱力した。
涙が次から次へと溢れてくる。
「好きにしたらいい…」
彼は首筋にキスをして、おやと思ったらしい。
「好きに、してよ…穴に全部…あふれるぐらい入れたら満足なんでしょ…」
膝が震えて、彼の恐ろしさで泣いてしまう。
すると乱れた服をそっと器用な指で直す彼が居た。先ほどまであちこち弄っていた指…。前髪の向こうはひどく傷ついた顔をしていた
「ごめん」

命令して、家を出た。
こんなの、裏切りだよね…。触れてくれてありがとう。こんな、鶏ガラみたいな身体を大切に触れてくれた。これだけで何があっても平気だ。
彼の手は優しくて、私は口で嫌だと言いながらぜんぜん抵抗なんて出来ていなかった。




5/21/2026, 2:29:20 PM