紅みかん

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「いつまで平伏しているのです、駄犬。
 敗北など私は許していません」

朦朧とした俺の頭の中に
彼女の凛とした確かな声が響き渡る。
彼女の声に導かれるまま、
俺はおぼつかない足で無意識に立ち上がった。
視界は定まらないが、俺の意志は揺るぎはしない。

俺の愛しい人が勝利を望むのなら、
それ以外の結末などあってはならない。

ここからこそが本番だ。

俺に勝利をもたらす女神の声を愛言葉に
眼前を埋め尽くす敵へ不敵な笑みを浮かべた。

10/26/2022, 2:06:39 PM