彼方美雨

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【エッセイ】忘れられない、いつまでも

忘れられない記憶。
それは良い記憶ではなく、悪い記憶の方が多いんじゃなかろうか。


私はいつも決まった悪夢を見る。

学校。

授業の教科書や体操着を忘れ、友人の少ない私は他のクラスの子に借りることも出来ず、休み時間の終わりが迫る。

…ただ、これだけの夢だ。


それのどこが悪夢なんだろう?って思う人が大半だと思う。
怖いものが出てくるでもない。
ただ不安と焦り、嫌な想いが胸に残ったまま目覚める。
でも、忘れものの多い私には本当に学生時代によくあった事だった。

自分ではそこまで辛かったという記憶はないのに、私は卒業して何年経っても繰り返し、繰り返し、今になっても悪夢としてこの夢を見る。

そこで私にとっては、よっぽど辛かった記憶なのだと初めて認識した。


その夢も最近になって段々と見るペースが減っていっているのは、私が癒やされていってるからだろうか?
それとも単に時の流れに埋もれ、少しずつあの頃の感覚を忘れていっているからなのだろうか?

5/10/2024, 9:41:38 AM