泣かないよ 不条理 です
泣かないよ
瞳をうるわせ、今にも溢れてしまいそうな涙を、キミは目に力を入れて我慢する。
「ねえ、そんなに…」
「泣かないよ」
キミは僕の言葉を遮って、キッと僕を睨みつける。
「泣いたってしょうがないでしょ。状況が変わるわけじゃないんだから」
「…まあ、そうだけど」
この人と結婚したい。そう思える彼と付き合っていたのに、別れを告げられたらしい。
「でもさ」
僕はキミの頭にそっと手を乗せ
「キミは我慢できても、キミの心は苦しそうだよ。その苦しみから、解放してあげようよ」
できるだけ優しく髪を撫でる。
「ふっ……」
静かに涙を流すキミが泣き止むまで、僕はそばにいたのだった。
不条理
「何で、何でなんだよ」
僕は、キミから渡された用紙を見て愕然としていた。
「まあまあ。お前だって、悪くないじゃん」
「でも、お前の方が良いだろ」
僕たちが持っているのは、お互いの成績表。キミとは学生寮で同じ部屋、クラスも一緒で。キミに合わせて僕も勉強しているから、勉強時間は同じはずなのに、何故こんなにも差が出るのか。
「何か、不条理だよな」
僕はため息を吐き、肩を落とすのだった。
3/19/2026, 9:38:04 AM