やなまか

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「ミホ重い」
「カズト、女子に対して失礼だな君は!」
私は彼の自転車の後ろに乗せてもらっておいて叫んだ。
「いやマジで重いって。代われ」
「下り坂になったらね」
「くそが」
とか言いながら、2人分のカバンをかごに入れて、半立ちこぎでゆるい坂をこいでいく。

春から私達、別の高校なんだよ。分かってるの君。

背中もいつの間にかデカくなって、腕の筋肉が盛り上がっててドキドキする。なんだかんだ文句言いながら乗せてくれるんだよね。
ちょっと胸が切ない。でっかくなりやがってこの、なんて。お母さんの心境かなーと思い込むことにした。

8/15/2024, 6:07:57 AM