「沈む夕日」
彼は太陽の色を塗り変えていた。
真っ白な丸いキャンバスに対して、小さな子供の顔を包むかのように、そっと手のひらをそわせて、丁寧に色を重ねていく。
とても険しい表情だったが、それは繊細な作業に集中しているからなのか、太陽の光があまりにも眩しいからなのか、分からなかった。
雫型の筆は、たっぷりと水滴が落ちない程度に水を含み、雫の先に少しだけ絵の具が付いていた。
彼はしごくように筆を馴染ませると、太陽の瞼、頬、唇に色を落とした。
最初ほんのり可愛らしいピンク色だったのが、何度も何度も色を重ねられて、赤色を帯び、差し色に黄色まで入れられて、なんとも芸術的な色が完成した。
満足したのか、彼は太陽から手を離し、筆を持ち替えた。
それは先ほどとは違って、幅の広い大きな筆で、先には藍色の絵の具が付いていた。
そして腕を大きく伸ばすと、大胆に空を藍色に染め上げた。しかし、太陽のそばだけはまた繊細な筆に持ち替えて、ドレスを縫い上げるように、放射状に塗っていった。
太陽は美しい藍色のドレスを広げ、完璧なメイクアップを崩さないように、そっとランウェイの先に立った。
波が彼女の輝きを讃え、山はそっと目を細める。
華やかな静謐で、尊大な惜別だった。
そして彼女がステージの裏に戻ったのを確認したら、僕は薄くて重い星の幕を閉じるのだ。
4/7/2026, 3:50:35 PM