「雪」
冬になれば、この国は雪に覆われる。
濃い緑色の木々も、黒い大地も、すべて白色に包まれる。
とても綺麗だと思う。同時に、この景色の中に踏み入ったら戻れないのではないか、とも思う。
そんな景色に彩りを与えて、現実感を取り戻させてくれるのは彼女の姿だ。
「すっごく積もったね! 綺麗だけど、お家の周りの雪かきとか大変そう……みんなで頑張ろうね!」
元気に笑いつつスコップを構える彼女に、私は「そうだね」と返事する。
幻想的な景色があろうと、私達はここに生きている。
生きている以上、生きるための活動は続けなければならない。
私もまた気合いを入れて、彼女と共にスコップを握りしめた。
1/8/2026, 12:47:31 AM