キラッキラで、ピッカピカ
あのとき感じた輝く姿が今でも忘れられない。
夢にまでみた、なんて安い売り文句では足りないし。憧れは憧れのままがいい、なんてただ眺めて終わるにはあまりにももったいない。
目でみて、効果音も覚えるくらい聞いて、写真も絵もプロの作品でも自分が撮ったり描いたりしたものでも溢れる輝きの欠片はいつだって僕の中で生きている。
同じ場所に立つこと考えたことはない。
それは応援することに意味があって、自分がその中に混ざることは憧れた世界を現実で汚すことになってしまうからだ。要するに推しは推すための存在だってこと。
強要なんてしない。推し方は人それぞれだから。
どんな方法であれ、犯罪は絶対に許せないけれど、あの輝きに魅了された同士であることは間違いない。
同じものを好きになって推すこと、それだけの共通点があれば十分だ。
だから、推しの訃報が流れたとき思った。
『ああ、星が溢れてしまった』
星自体が輝きを失い、日の光すら反射させることもできないほど崩れてこの世界から溢れてしまった、と。
目の前を照らす光も、道標もなしにこれから生きていかなければいけないのだ。過去となってしまった暗い欠片に背を向けて進まなければいけない。
残酷でいて、長い目でみれば単なる優しさの一つになってしまう時の流れが恨めしい。
僕の青春時代にパッと現れて、共に枯れていくこの気持ちは誰にもわからないだろう。半身を失ったかのような空虚を背負って過去にしていくこの気持ちを。
星は溢れないで、輝いていてほしかった
【題:星が溢れる】
3/15/2024, 2:44:13 PM