日の出
あおーい冬の空、透き通った風、波の音、温かい人の手の温もり。最高の新年の始まりだ。
「そうは思いませんか?」
チラリと彼の顔を見ると、普段はキリッとしたつり目が、今は眠たそうに、眩しそうに目尻をさげていた。
「そーだなあ。でもこういうのって初日の出見に来るんじゃねえの?もう昼になりそうなんだけど」
彼はジャージの袖から腕時計を出して確認する。
「いいんですよ。新しい年を二人で迎えることが出来たって思えたら何だっていいんです」
「そーいうもんか?」
「そーいうものです」
1/4/2025, 7:32:24 AM