『もしも過去へと行けるなら』
「もしも過去に行けるとしたら、どうする?」
幼なじみの菜々美。彼女の口から飛び出す言葉はいつも突拍子もない。
今だって、カフェで優雅にお茶しようと言ってコーヒーを口に含んだばかりだというのに。
「何、いきなり。そんなこと聞いてどうするの。」
「いや〜、昨日テレビで見たんだけど、莉子ならどうするかなって思って。あ、私は今をenjoyしたいから、行けるとしても行かない!」
「ふーん。やり直したいこととか無いんだ。」
「あるけど、やり直したら今の莉子との楽しい時間も変わっちゃいそうで怖くて。」
そんなことを言われたら、彼女のことを好きにならずには居られないだろう。
「私も、タイムスリップは間に合ってるかな。」
「莉子も私とのJK生活楽しんでくれてるんだ。良かった〜。」
コーヒーを飲み直し、笑顔の菜々美を前にする。
(この笑顔を、守れたんだ。もう、タイムスリップなんて、ウンザリ。)
「タイムスリップなんてするもんじゃないよ。」
呟きは、彼女の耳には届かない。
7/25/2025, 6:43:02 AM