憂一

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『モンシロチョウ』

花畑に寝転んで空を見上げる。
雲ひとつない、とめどなく青さが広がる空だ。
旅の途中で寄ることにしたこの花畑は、旅人しか寄り付かないため、ほとんど手が入らずに自然のままの姿が保たれている。
青と赤が目立つが、所々黄色の花も咲いている。

ふと私の鼻に、モンシロチョウが掠った。鼻腔を擽る植物性の匂いがした。
蝶の行く末を見届けていると、後ろから声が聞こえる。
「エルフさん、そろそろ発ちますよ。」

5/11/2024, 8:25:16 AM