不条理
夜明け前の駅のホームで
誰かの落とした影だけが
まだ帰る場所を探している。
風は理由もなく
右から左へと世界を撫でていき、
置き去りにされた言葉たちは
順番を待つことすら許されない。
「どうして」と問うた声は
空気に吸われて形を失い、
残ったのは
答えのない問いだけ。
それでも朝は来る。
理屈も慈悲もなく、
ただ淡々と光を配りながら。
そして私はまた歩き出す。
世界の不条理に
名前をつけられないまま、
それでも息をすることだけは
許されているらしい。
眞白あげは
3/18/2026, 11:40:22 PM