遠く… 君の背中
「またな!」
わしゃわしゃと髪を混ぜられ、抗議しようと顔を上げて見えた夏兄の寂しそうな顔に何も言えなくなってしまった
「夏兄!」
笑って欲しくて夏兄のお腹に抱き着くと抱き締め返してくれた
お互いに少しだけ離れ、顔を見合って笑う
「大好きだよ!」
「俺もだよ」
ここで電車の発車ベルが鳴る
夏兄は走って電車に乗るとドア付近に立ち止まり手を振ってくれた
それに手を振り返す
電車が見えなくなるまで手を振り、ホームに背中を向けた途端に涙が零れた
ずーとずーと我慢していた涙が堰を切ったように流れる
「大好きな夏兄、遠く離れても私の気持ちは変わらないよ」
そう伝えればよかったと後悔するけど、伝えたい人はもうこの場に居ない
一頻り泣いてすっきりしたのか私はある決心をした
大好きな夏兄の背中を一生懸命に追いかけよう!と
2/10/2025, 12:36:08 AM