縞栗鼠

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秋。
だんだん肌寒くなるにつれて思い出す。
寒いねぇって言いながら
眺めた2人が大好きな海を。
秋の夜の海はとても暗くて黒くて。

前に彼を海みたいと言ったことを彼は海を見ながら言う。
俺、こんなに黒い?って笑いながら。
どうだろ笑笑と笑って誤魔化す私。

違うんだ。
あなたのこと海みたいだと言ったのは
都合いい時だけ寂しい時だけ会いに来て
波を打っては戻っていく海のようだったから。
どんなに喧嘩して突き放したとしても
あなたは必ず連絡してきたり戻ってくる。

だから、だからね。また戻ってきてくれると信じてたんだ
きっともどってくる。また名前呼びながら笑って……。
でも君は海じゃなくて川だったんだね。
戻ってこないで、私に寂しさと肌寒い秋の恋心を残して
自分の家族のとこに戻ってしまった。

……また大嫌いな秋が来る。
……寂しい秋の恋心が蘇る。

9/21/2022, 12:56:06 PM