はたちの君は、今まさに綻んだマーガレットの花のような風情で微笑んでいた。
君の深い栗色の巻毛は、まろい額に優美にかかり、ミルク色の肌は血の色を透かして頬に健康的な赤みを添えている。
「おめでとう」
そう言うと、君は手に持ったささやかな花束に視線を落として照れた。
伏せた睫毛を瞬く。
「ありがとう。まだあんまり大人になった気がしないな」
冬の陽光が君の髪に反射してきらきらと輝くのを美しいと思った。
まだ育ちゆく途上の君は、若木のように内側からエネルギーを放っている。
そっと君の肩越しに周囲を見れば、若さを振り撒く青年たちがそこかしこにいた。
彼らはみな眩しく光っているが、いちばん美しいのはやっぱり君だと思った。
はたちの君の、その瑞々しいすべては、やがて別の何かに変わってゆくのだろう。
やっとこちらを見た君に微笑み返しながら、始まったばかりの君の人生がこれから描くであろう鮮やかさを想った。
1/10/2024, 3:19:12 PM