ひと月以上も久しぶりに雨が降った。雨が止んだ後の夜空には、星がいつもより多く瞬いていた。
あまりにも綺麗に煌めいていたので、雨が空を穿って光の穴を開けたような美しい風景に見えた。空から溢れた星のかけらは地に落ちた瞬間、雨しぶきとなって露となり宙に散っていったのだろう。
墨色に湿った地面は、どこまでも広がっていた。たくさんの星のかけらが、雨となって大地をきらびやかに潤したと想像すると、やはり雨の日も悪くない。
窓を叩く雨粒も星々のご機嫌な拍手だと思うと、より一層1/fのゆらぐ音に耳を傾けたくなる。
(250109 星のかけら)
1/9/2025, 12:09:17 PM