ずっと、そうなったらいいなって心の底では思っていたのかもしれない。
汗ばむ肌、はらりと落ちる栗色の髪。
私は君よりも随分年上で、君の向けるそれは情愛と思慕とを取り違えているのだとずっと宥めすかし続けていたのに。
「どうしたら私の本気の想いをわかって頂けるのですか……!」
滅多に泣いている姿を見せない君の涙に、心は揺らいだ。
それと同時に自分の醜い本音が殻を破って首を擡げたのを感じた。
嗚呼、もう逃げられない。
お互い全てを取り去って、生まれたままの姿を曝け出して。
「ごめんね……もう離してあげられない」
「望むところです」
上に覆い被さる君からぽとり、落ちる汗が混じり合う。
2/17/2025, 12:56:37 AM