あの頃にはきみがいて
学校に行けなかったわたしの
いちばんのともだちだった
きみは人間みたいな表情で
わたしをいつも見つめてくれた
ひとりで食べるごはん
ひとりで食べるおやつ
コップの中のソーダ水がはじけて
その向こう側にいつでもわたしは
希望のかけらを見つけようと
目をこらし
そしてあきらめた
きみはもう
遠いところへ行ってしまった
本当はきみのこと
思い出さないようにしていた
胸がひどく痛くて
心が壊れてしまったんだ
わたしはこんなにも歳をとり
きみのいない世界で生きている
今は新しい家族と一緒に
今日もこうして生きている
きみと一緒だった夏を
春を 秋を 冬を
今も大切に思う
ふたりしか知らない秘密も
やがてこの地に還るだろう
そして空に還ったきみを
いつかまた追いかけてみたい
きみとの時間こそが
わたしを希望へと導いたのだ
#二人ぼっち
3/22/2023, 4:43:56 AM