カチッカチッと、少しずつ時計の針が動く音が聞こえる。
その音が、12時になってしまえば、自分が死んでしまそうな、そんな音で、身が縮まる。制限時間、なのだろうか?
「……俺を一体、どうするつもりだ?」
誘拐した理由には、身代金以外の可能性もある。それを聞き出して、なんとか解決策を。瞼を開いて、男を見つめる。
「どうするって?金だろ。金になるなら、俺はなんでもするぜ」
男の顔は唇に傷があり、目元は鋭い眼光で、鷹のように見える。自分は餌で、男にとっては、自分は多種多様な餌の一つとしか見られていないような。そう錯覚する。
「本当にそれだけが……」
そう自分が言うと、鷹の目はより一層鋭くなり、今も喰われると恐怖で、背筋が伸びる。
風が肌に当たって、寒い。
「あっ?もしかして寒いのか?言えよ、身代金が少なくなったらめんどくさいからな」
そういうと、鷹は、窓を閉める。少しだけだが、肌に当たっていた風は無くなった。少しだけ、落ち着いてきた。
「さぁ、身代金。さっきの話の理由、教えてもらおうか」
2/6/2026, 12:40:39 PM