細やかな雨音で目を覚ます。
眠っている恋人を、起こさぬよう腕からそっと抜け出し
ベッドから降り窓辺に近づく。
しとしとと大地を濡らす恵みの雫は、
このところ降り続いている。
多少なりとも生活に支障が出ているけれど、
嬉しい事もある。
恋人と過ごす時間が増え、
寒いという口実で、一緒に眠れる。
ありふれた幸せだけど、かけがえのないもの。
寂しさが立ち入る隙すらない幸福に満たされる。
頬が緩んで笑みがこぼれた瞬間______
「捕まえた」
逞しい腕に背後から抱き寄せられ
振り返って見上げれば、夢の中にいそうな顔の恋人が居た
「起こしちゃいましたか?」
「あぁ。湯たんぽが忽然と消えたからな」
彼は、私を軽々と横抱きにするとベッドへ逆戻り。
これは二度寝確定だな、なんて思いながら
彼の腕の中で目を閉じた。
5/25/2025, 10:23:49 AM