【月に願いを】
ようやく、願いを叶えるときが来たのだ。
私は万感の思いをこめて、最初の一歩を踏みしめた。
月に第二の足跡を刻む、これは人類の悲願だった。
かの有名なアポロ11号計画から、すでに四百年。衰退していた宇宙開発への情熱をもう一度奮い立たせ、人類は再び月への有人飛行を叶えたのだ。
「人間にとっては小さき一歩でありますが、人類は再び大きな飛躍を遂げました。これまで私たちが重ねてきた一歩一歩の歩みが、この地に刻まれた一歩によって、力強い羽ばたきへと変わるのです」
予め考えていたスピーチを、月の映像とともに地球へ送り届ける。司令室がわっと湧いてるのが聞こえる。
ん? 司令室の音声が急に怒号に変わったような……そう思った瞬間、視界は闇に包まれた。
ようやく、願いを叶えるときが来たのだ。
我々は万感の思いをこめて、最初の一歩を踏みしめた。
この小さき星に第一の足跡を刻む、それが我々の悲願だった。
活動停止した母星を捨て、苦節四百ヌート。新たな惑星へ移住するための第一歩として、我々はついに、目当ての惑星を周回する衛星への着陸に成功したのだ。
ここまで来れば、惑星の占領には半ヌートもかからない。
我々はさっそく、この星の邪魔な生命体を排除した。
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リアルが急に忙しくなったため、しばらく書く習慣をお休みしていました。まだ忙しさが続くため、不定期更新になります。これまでいただいた“いいね”はすべてやる気に繋がっております。ありがとうございます。
5/27/2023, 2:48:59 AM