→短編・個性的
「家族で、野鳥園に行きました。南の国の赤い鳥や、北に住んでる白くてフワフワな小さい鳥、全然動かない大きな灰色の鳥など、たくさんの鳥がいました。本当に色とりどりでした」
……うっわぁ〜。
職員室で宿題の作文を添削していた私は頭を抱えた。課題は、「色とりどり」を使って短い文章を作るなので、先の作文に問題はない。そう、問題はない、のだ。
しかし「色とりどり」の「とりどり」の下に、消しゴムで消された「鳥々」がうっすらと見えている。つまり、この生徒は、「色とりどり」を文字通り「多種多様な鳥たち」と理解している可能性があるのだ。
しかもこの子は、かつて美術の時間に自画像を描く際に自分の腕に絵の具を乗せて肌色を調色しようと試みた実績の持ち主だ。
純粋というか、一本木というか……、このまま伸ばしてほしい個性であるのと同時に、今のように悩ましい問題も与えてくれる。
さぁて、どうするかなぁ〜。
私は大きく伸びをした。とりあえず、自販機でコーヒーでも買って休憩しようっと。
テーマ; 色とりどり
1/8/2026, 2:50:59 PM