生業(テーマ 明日世界が終わるなら)
生きていくためにする仕事=食うためにする仕事か?
今日も仕事が終わらない。
朝早く出社し、夜遅くまで残業する。
日中は仕事が増える時間だ。
定時後、お客が来なくなってから、仕事を片付ける時間が始まる。
そして、深夜、家に帰る。
睡眠時間は短く、必然的に眠りも浅い。
年齢のせいか、糖尿病になりつつあるのか、腎臓が悪いのか。トイレが近くなり、夜中に何度も目が覚める。
そして、久しぶりにはっきりとした夢を見た。
*
高校の授業の夢だ。
高校の時の落ちこぼれだった私は、態度だけは真面目で、成績はさんさんたるものだった。
夢の中でも態度だけは真面目な私。
夢の中で、教師は言った。かつて実際に言われたことだ。
『明日世界が終わるとしてもやるのが、一生の仕事だ。』
学生の時はピンときていなかった。
(明日世界が終わるなら、仕事なんてしないに決まっている。家族や友人と会うくらいか。)
反抗とかではなく、ごく自然にそう思っていた。
*
目が覚めて、天井を見る。
時計は午前3時。
さすがに起きるにはまだ早い。
(今はどうだろうか。)
今の仕事は『そういうもの』か?
あした世界が終わるとしても、仕事をするだろうか。
(するわけがない。)
では、何なら『明日世界が終わるとしても』やるのか。
子どもがいたら、子どもと一緒に居るかもしれない。
妻がいたら、妻と過ごすかもしれない。
両親と過ごすのが、もっともありそうなことだ。
だが、もしかしたら。
何かの気の迷いで、最後の一日は、文章を書いて過ごすかもしれない。
つまり、自分にとっての生業とは、そういうものなのだろう。
問題は、自分の文章では食っていけないと言うことだ。
人間、やりたいことで食っていければ好運だ。
自分は、好運ではなかった。
だから、生業と言えない仕事で、糊口をしのぐのだ。
5/7/2024, 1:00:57 PM