渚雅

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冬は、嫌いだ。

日が短くて天気も悪くて、曇天か雨かどちらにしても蒼穹は遠い。雪は綺麗ではあるけれど音もなく降り積るそれはどこか近寄り難い。

どうしようもなく温もりが恋しくなるけれど触れ合う熱は傍にはなくて。毛布を握りしめて巻き付けては深く息を吐くばかり。それすら白い水蒸気に変わって、視覚すらも熱を奪い去ってゆくよう。

震える指先でタップしたその連絡先は繋がらなくて。さみしい、なんて零れた言葉はただ静寂に飲まれた。


12/19/2024, 1:21:42 PM