ほむら

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雨の日が続く梅雨の時期、雨の日が好きではない私は憂鬱な気分で外を眺めていた。外に出かけるのも億劫になるし、何より低気圧で頭が痛くなるのだ。

「梅雨が始まったばかりだけど、早く明けないかなぁ」
「おや、貴方は雨の日が嫌いなのですか?」
「うん、気分は沈むし、頭も痛くなるし…あなたはどう?」
「俺は雨の日も好きですね。しとしと降る程度なら、雨音が心地良く聞こえますし。それに…」

そう言うと彼はギュッと私を抱き寄せた。突然の事に少し戸惑っている私の様子を見ながら、彼は微笑んで続けた。

「こうして、貴方と共に居られる時間も増えますから」

そう耳元で囁かれて、思わず私は頬が赤くなるほど照れてしまった。クスクス笑いながら可愛いですねぇ、と言う彼から照れ隠しでそっぽを向きつつも、それなら雨も悪くないのかも、と思い始める自分もいた。

テーマ「梅雨」

6/2/2024, 12:36:23 AM