NoName

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 推しが卒業を発表した。
 ダンス練習の休憩時間、ふと目に入ったニュースをみ
 て愕然とする私に仲間の一人が声をかけてきた。

 「ねえ、卒業するんだって!今一番勢いがあるのに、
 どうして辞めちゃうんだろうね〜。」
 「…」
 「あっ、ごめん。この子、アンタの推しなんだっ 
 け。…大丈夫?」
 「うん。大丈夫。」
 「辛かったらちょっと休んでいいからね。」
 「ありがとう。でも休んでなんかいられないよ。私、
 頑張らなくちゃ。」
 「そんな気負いすぎちゃいけないよ。」
 「だって私まだ全然なの。デビュー目前なのに、あの
 子の輝きに一ミリも達せられてない…。」
 「その気持ちはわかるけど、スーパーアイドルと比べ
 ちゃダメよ。」
 「…確かにそうだね。でもいつかはあの子を超えて、
 一番輝く星のような存在になるって決めてるの!」
 「ふふ、いい目標じゃん。そんだけ元気あるなら大丈
 夫か。さぁみんな、練習再開しよう!」
 
 いつか、それがいつになるかはわからない。でも頑張
 らないと実らないことはわかる。
 夢に向かって努力あるのみだ。

12/15/2025, 12:16:08 AM