くじらもち

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澪ちゃんは世界一可愛い私の幼なじみ。


バスケでボールを追っている澪ちゃんはカッコイイ

けど新しく買ったキーホルダーを自慢する澪ちゃん

はもっと可愛い。嫌いなとことなんて一個もない。

澪ちゃんの可愛いとこなら、沢山言える。可愛い物

好きなとことか。虫が苦手なとことか。ピーマンが

嫌いなとことか。だって私はずっと隣でみてたから

「なおちゃん!」 澪ちゃんだ。

「どうしたの?澪ちゃん。」澪ちゃんは少し興奮し

た様子でこう言った。「私好きな人が出来たの!」

は? 澪ちゃんに好きな人?

「どういう人?どんなところが好きなの?」私は少

し苛立ちを抑えられず聞いた。

「えっとね~みんなに優しいとことか!どんな時も

真剣に本気でやるとことか?あと〜…」

澪ちゃんは【好きな人】の事を恍惚な表情で語って

いる。あぁ、そんな顔、私には見せてくれた事なん

てなかったのに。ぽっと出のヤツなんかにそんな顔

見せないで。私だけの澪ちゃんでいてよ。

「私、来週先輩に告白してくる!
…早まり過ぎかなぁ?」

「……頑張って。澪ちゃんなら大丈夫だよ。」

「ほんと〜?ありがと!! なおちゃんに相談して、良かった!」

澪ちゃんの嫌いなとこができた。私以外に、みせる

笑顔。私以外に浮かべる表情。私以外にみせる関心

…私の方がずっと隣にいたのにな。あわよくばずっと隣に居たかったのに。

「私じゃない人の隣に行かないで欲しかった。」

【ずっと隣で】

3/13/2023, 12:28:27 PM