カムパネルラの死を知ったザネリは、あれからどんな夢をみたんだろう。
たとえばジョバンニのように、銀河を1周するほどの時間をかけたとしても、果たしてその現実を受け入れて、自分の人生に向き合うことはできるのだろうか。
あるいは、彼の心は、いつまでもあの川を揺蕩いながら、沈みきることもできずにいるように思う。
ザネリの真意は知るよしもないことだ。案外、けろっとして生きていったのかもしれない。
それでも、不条理な死を遂げたカムパネルラと、生き残ったいじめっ子ザネリ。潰えたひとつの人生と、変わりなくやってくる明日。その心とリンクしようとするたびに、後悔とは何か、考えてしまう。
5/15/2023, 1:34:16 PM