一匙

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部屋の片隅で

部屋の片隅でただ漠然と転がっているほこりで良い。
彼らはただそこに存在しているだけの無だ。誰かに大人になれ、成長しろ、夢を持て、などと言われることはない。ほこりはほこりで、それ以上の何かにはならない。なろうとは微塵も思っていない。ちりとりでそそくさと集められ、焼却されて消えるその瞬間までほこりはほこりで、いる。それが世界のあたりまえだと認められているように。
変えない、変わらないことになんだか安心するんだ。

12/7/2022, 11:52:49 AM