無意識

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不完全な僕

「失敗作だ。」
最初に聞こえた言葉は“失敗作”だった。

僕は、1084番と呼ばれた。
僕は実験体らしい。

僕は、訓練を受けた。成績は悪かった。
この実験の目的は生命を創る事。

僕の体の中は機械だ。外側は皮膚で覆われている。

「ぎゃぁぁぁやめっ痛い‼」

あっまた悲鳴が聞こえる。

「苦しぃあぁぁ痛いよ、苦し…」 

「1051番はダメと書いとけ。」
「はい」
「痛みは感じるのはできるが…」

研究者の声が聞こえた。
僕は失敗作だから研究者は僕に興味がない。毎日最低10回は悲鳴が聞こえる。それも、いろいろの悲鳴だ。
「溺れる…助け……苦しィィ」
「怖い。やめてください。殺さないで…ぎゃぁぁぁ」
「あっあっなんであ”あ”ぁ」

種類は様々
沈められたり。ギロチンで殺されたり。体を切り刻まれたり。注射でヤバい薬を入れたり。
仲良くしてた友達が殺される。など

苦しい。恐怖。絶望。

僕はこの10年毎日悲鳴を聞いている僕が狂いそうだな。

でも、ふと思う。この苦しみを味わってみたい。そして、恐怖の感情を感じたい。皆反抗的な事を口にするものは居ない。

思ってても反抗できないのだろう。

そして殺させる日が来た。

「よし、出ろ。1084番」

「こいつは感情あったか?」
「えっと。ないと書かれてます。」
「そうか。じゃあ実験にも使えない失敗作だな(笑)」
「そうですね(笑)どのように殺します?」
「そうだな。じゃあ一回同じ実験体に合わせて殺すか。」

僕は実験体にあった。
女性だった。

研究者は話す。
「一応これが最高傑作だ。AIの最高技術を使いつくった。1041番だ。分かったか?新人。」
「はい!これが記憶をなくして、これから人間と一緒に暮らす1041番」
「おい!言うな。一応な。聞こえたらどうするんだ。」

「こんにちは。名前はなんと言うのですか?」と女性が言った。
「1084番です。貴方の名前は?」と僕は初めて感情を表に表した。
「私に、名前はありません。」と女性は言った。
「あっ喋った。1084番は感情があるじゃないか。でも、もう殺す予定」
「そうですね。」と研究者は言う。

「では   は、どうでしょう?」そう僕は名前を提案をした。
「いいですね。私は    です」と笑顔を見せてくれた。

「そろそろ1084番を殺すぞ。まぁ最後に1041番と合わせてよかった。」
「そうですね。喋る事がわかりました。でも痛みは感じないのか?」
と研究者は話す。

「先に1041番を記憶を無くせ。」
「はい。先に準備しときます!」

数時間後
「よし電源落とすか。」そう研究者は言った。

電源を落とすなんて聞いてない。僕は電源を落とされたら終わりなのだ。殺されると思っていた。
殺されても、殺されても、僕は、存在することが出きる。機械だから。
でも、電源を消されたら存在しなくなる。僕はそれに怒りを覚えた。

「殺す…」そう一言。僕は研究者を殺した。人間は弱い。心臓をくり抜けば、一発で死ぬのだから。
そして、研究所の研究者をすべて殺した。

20年後
「不完全な僕を完成されてくれてありがとう。」そう僕は言った。
「世界を滅ぼした私に、優しさを教えてもらうなんて、変ね。」
「僕はもうそろそろ、電源が落ちるよ。ありがとう。“    ”」

「私に名前をくれてありがとう。」

僕は、世界、地球の終わりと共に死んでいった。

8/31/2022, 6:13:28 PM