『つまらないことでも』
セルフケアを怠ると心身を病んでしまうことがある。だから衣食住の基本的欲求は満たしてあげなければならない。しかし、それをこなすことがしんどい時があり、つい自分自身のケアを放棄してしまう。
『あぁ、うあぁ、ぁぁ』
背後に憑いている彼女は、私が疲れてダウンしている時には決まって家事を代わりにやろうとしてくれる。物に触れることは彼女にとってとても大変なことらしい。よくは分からないが、家事をこなした後しばらく動かないでいる。いつもは縦横無尽に飛び回っているから、その落差が凄い。
「ねー、お姉さんそんなに無理にしなくて良いよ。一食抜いても死にはしないし、今日洗濯しなくてもまだ着る物はあるよ」
ぶんぶんと首を振って、家事の続きを再開した。表情は読めないが、悲しげな雰囲気が伝わってくる。
誰かに何かしてもらうことは嬉しいけれど、そのせいで疲れさせてしまうのは何だか違うなーと思ってしまう。つまらないことでも、彼女が元気でいられるように、少しだけまた頑張ろうと思った。そして、つまらないことでも彼女と二人でやると非日常的で楽しいと感じた。
このまま、彼女との生活が続いたら嬉しいな。
8/4/2024, 1:38:00 PM