時を告げる
今日もあの時間がやってきた。毎日わたしを悩ませ、苦しませる。そしてなによりも恥ずかしい。目の前にいるケルベロスが鳴くよりも大きな音が響き渡る。そう、ぐぅううううーーぐぎゅううーーとお腹がなってしまう。
天使でしかも下位に属するためにわたしの仕事はとても多い。死んでしまった人間を導き、悪魔や魔物と戦いそして人間を守護する。対象は増える一方なので毎日てんてこ舞いである。そんなわたしの今日の仕事はケルベロスを地獄に返すこと。絵画で描かれる様に空気が張り詰めている中で行われる。まして戦闘のエリートである能天使様までいるそんな状況でなってしまったのだ。ケルベロス達でさえその場にいた全員の視線がわたしに集中する。耐えきれず琴よりも震える声で言わざるを得なかった。
「ご、ごめんなさい」
顔が古い赤ワインみたいになってしまう。むしろ酔ってしまったぐらいだろうか。
あぁ、もうだめ。周りのことなんか気にできない。こんなことなら堕天してしまいたい!
9/7/2023, 7:10:57 AM