沈む夕日
夕暮れが世界を真っ赤に染める。
空も、標識も、電線もゆらゆら揺れて、視界がやけに禍々しい。
カラスが同じ方向に二、三羽飛んでいた。葬式でもあるのかなあ、とか考えながら、足元の小石を蹴っ飛ばす。
からからと側溝の穴に吸い込まれていくソレをぼうっと見ていたら、突然鈍い痛みが走った。
……電柱に頭をぶつけてしまったらしい。
見られていないか気になって、なんとなく周りを見渡す。人はおろか、車すら走っていない。
……まだ痛い。視界がぐにゃぐにゃした。干からびたミミズがとぐろを巻いている。
ぶつけた所を押さえ、また俯きながら歩きだす。見慣れた世界は段々暗くなっていく。アスファルトには、消えかかった止まれの文字。十字路だ。
……帰り道って、どこだっけ?
4/8/2026, 9:44:33 AM