「はい、これ」
「ありがと」
委員会で隣になった男の子兼私の想い人が消しゴムを忘れた。
それを見た私は消しゴムを貸した。
ただそれだけの事。
貸した時に「手きれいだな…」って思ったのは内緒。
──────
委員会終了後、
「…はい」
「?あぁ、ありがと」
…返してもらったはいいものの、目が合わない。どうしたんだ急に。どことなく気まずい。
返してくれた消しゴムを見ると、丸くなってるところにボールペンで
「一緒に帰ろ」
と。
彼は気持ちを形にしてくれたのだ。
私は形のない贈り物をしても、彼に受け取ってもらえるだろうか。
(こんなの消えちゃうとこに書かれちゃ、この消しゴムもう使えないじゃん…)
20250122 【あなたへの贈り物】
1/22/2025, 2:31:18 PM