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未来のことを考えなさい。
建設的な話を。
過去のことを言ってなんになるんだ。

そんな言葉をたくさん浴びせられて、前向きになれたかというと、そんなことはない。
過去のことを思いかえす私は、私の肌のもう一層奥に逃げ込んで、そこにとどまっている。表にあらわさないよう努力するようになっただけ。
なぜあの時、何もできなかったんだろう。あんなに無力だったんだろう。もやもやした怒りとも悲しみともつかない感情が、自分の中でゆるく渦をまいている。
まだ若く、上手く対処できなかった自分。
咄嗟に怒れなかった自分。
悪意より善意を信じようとした甘さが、怒りの反射神経を鈍らせた。
でも悲しみは本当だし、この怒りは正当だ。少なくとも私にとっては。

前向きに楽しげに未来のことを話ながら、なかったことにはしない。
未来の話をする笑顔とともに、この暗い感情はいつもある。
これも含めて私。大事にしたい。
周りの人間が望む──というより強要する──明るい感情ではなくても。
なかったことにできない自分自身も。

9/20/2024, 11:05:33 AM