エッセイ風味

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「風に身をまかせ」

私の生家は坂の上にあった

町外れの坂の上
中学に上がり、通学には自転車が必要になった
登校は坂を一気に降る。山から降りてくる追い風に背中を押され、更に加速する
見晴らしのいい田園風景の中を、車の心配もなく私はひたすら自転車を加速させた

下校はひたすら坂を登る。田んぼだらけで日陰はなく、登校中は最高の相棒だった自転車はこの時ばかりは重い荷物だ。朝はあんなに背中を押してくれた風もなぜか止んでいた

行きは20分、帰りは40分

5/15/2024, 3:02:44 AM