「友だちの思い出」
友達と思っていたのは私だけで、あなたはそう思っていなかったんだろうか。
思い出せるあなたとの記憶は全部「楽しかった」って心から言えるのは、私だけ?
おそろいにしようってふたりで話し合って決めたクマのキーホルダー、大事に取っておいたのは私だけ?
いつからあなたを傷つけてしまったの?
いつから、私はあなたを苦しませてしまったの?
答えは全て闇のなか。死人に口なし、本当に皮肉。
きっと永遠の別れが来てしまうことは、なんとなく予感していた。でも、死が袂を分つ何某は、私があなたを置いていくんだろうとばかり思っていたのに。……こういう独りよがりがダメだったのか。
謝りたくても謝れない。あなたは私の手の届かないところへ行ってしまった。
私は「大人になる前にそちらへ行く」といろんなモノから予言されている。
だけど、ごめんね。
私、まだ死にたくない。謝りたいけど行きたくない。
「きみが一番あの子の性格を知ってるじゃない。それなら、なおさら最期の言葉は信じちゃだめだよ」
「あの子、きみが一番の親友だって、ちゃんと私にはっきり言ってたもの。喧嘩別れは辛いけど、きみが信じてあげなきゃあの子は永遠に独りぼっちになっちゃうよ」
ねえ、あなたが最期に吐いた「大嫌い」、嘘だと信じていいかな。
親友の最期の言葉を嘘だって決めつけていいかな。
声は届かない。私にも、あなたにも。
それなら私は、あなたはずっと親友だったと信じて、いつかまた胸を張って会いにいくよ。
あなたとの時間は、親友との大切な思い出。
7/6/2024, 12:40:33 PM