「君と飛び立つ」夜が静かすぎて言葉が出なかった。君も何も言わない。ただ隣に座って、じっと星空を眺めていた。もし私の背中に羽があったなら、今すぐ君を連れて飛び立つのに。あの星まで君を連れて行ってあげるのに。けれど、羽はどこにもない。だから私は、この地上で君の手を握りしめる。腫れ上がった顔を歪めもせず、泣きもせず、ただ星を眺める君の手を。
8/21/2025, 3:40:28 PM