あの日の温もり。
始まりはある雨の日だった。
私はひとり寂しく雨に打たれていた。
そんな私をみて、ふわふわのタオルをくれた。
「おはよう。」
今日も私にあいさつする。
だけどそいつは朝早くどこかに行って、夜遅くに帰ってくる。
帰ってくる時あいつはとっても疲れた顔なのに、私を見ると直ぐに笑って私に
「ただいま。」
って言ってくれる。
でもたまに丸一日一緒に居れる日もあったりする。
そう言う日は一緒にテレビ見たり、昼になったらご飯を出してくれる。
毎日こう言う日が続けばいいのに。
今日はちょっと珍しい所に行った。
知らない白い服の人と会った。
チクチクする痛いのをされた。
いつものお出かけは好きだけど、もうあそこには行きたくない。
だけど、その行きたくない所に最近よく行く。
私もあんまりはしゃげない。
行きたくないところにいっぱい行っているから?
最近あいつは悲しい顔をする。
でも近寄るといつもの笑顔に戻って、優しく撫でてくれる。
今日もあいつが構ってくれる。
でも私は動けない。
だけど撫でてくれるあいつの手は暖かかった。
「にゃーちゃんはあったかいねぇ」
初めて、行ってきますを言った。
だけどその時、あいつは泣いてた。
あいつの所にまた
「ただいま」
を言いたかった。
「にゃーちゃん、おやつだよ」
今日も私はお供えする。
にゃーちゃんが好きだった猫のおやつ。
だけどあのとき聞こえた可愛い返事はない。
そんな事は分かっているけど、
分かっているけど、にゃーちゃんを撫でたときの温もりを思い出して、今日も私は
にゃーちゃんが笑う写真の前で泣いてしまう。
2/28/2025, 1:12:43 PM