22時17分

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花畑ほどの数の真実が虹の下に群生していたとしても、花の色は決まっているという。
あか、あお、きいろ、むらさき、藍色。

仮に虹の道を進むことができるなら、半透明色たる虹の下から花畑を見下ろすことができる。
なんてきれいなんだろう。
そんなことを思う人が、人の世の0.0003%ほどの人間がいたとして、花畑たちはゆらゆら揺れていることだろう。
穏やかな風に吹かれ、自由に花粉を飛ばし、生物の侵略もない。あるのは移り変わる季節のみ。
一年草、二年草、多年草。いつしか木も生えるだろうが、それでも花畑から逸脱するかといえば、そんなことはないのだと思う。

僕は虹の道より、地上を選びたい。
花畑をかき分けて、気に入った花束を作るようにしてみたい。
そういえば、そんなことは花屋でもできる。
けど、花屋ではできないことを、花畑では感じることができる。きっと花の香りに包まれているようなのだ。
それは、今の人たちには幸福に感じられるかもしれない。
……幸福ってなんだろう。

9/17/2024, 2:37:19 PM