いつもありがとう

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2次会を開く予定だけど来られますか?

突然、LINEに新しいトークが増えてメッセージが来ていた。
どうやら友人が結婚するらしい。
式は身内で行うとのことだ。
あまり会う機会はなかったが、私としては貴重な関係の一つだったため、誘ってくれたのは素直に嬉しかった。

だが、私は断ろうとしていた。
理由は単純だ。
余裕がなかったからだ。
金銭的にも、精神的にも、ましてや社会的にも落ちぶれてしまった私のような男が行っても、どんな顔で祝福すればいいのだろうか。
心から祝うことができるだろうか。

とはいえ、正直に吐露してしまうのも気が引ける。
しかし嘘も吐きたくないうえ、淡白に断って冷たく思われてしまうのも嫌だった。
他の誰かの用事なら何度も断ってきたが、ここまで悩んだのは初めてだった。

私は、良き友人だっただろうか?

ふと思い返してしまった。
覚えている限り何もしてあげられなかった。
それどころか、迷惑をかけた記憶しかない。
悩みを聞いた時も、気の利いた言葉もかけてあげられなかった。
せっかく会いに来てくれても、もてなすことも見送ることもしなかった。

そうだった、ごめん。
本当にすまない。
私には友人を名乗る資格がない。

そっとスマホを落とした。

……

LINEを開き、トークの一覧を下の方にスクロールする。
それと思しきものを見つけた。
後ろ姿のサムネイルが、まだアカウントが生きていることを示している。
あれから5年が経つ。
今でもトークはあの時のまま、彼女の苗字だけが変わっていた。


~1件のLINE~

7/12/2024, 3:54:25 AM