誰かしら?
世界線はt72
世界線は気にしないでください
主な登場人物
ストーカーされている女
ストーカーしてる男
深夜2時。思いのほか残業が長引き過ぎたわ。私は薄い街灯照らす道を歩く。今は夏だからか虫の鳴き声だけが聞こえてくる。それが余計にホラーで仕方ない。なんなら自分の足音すら怖い。早足で道を歩いているけれど心臓の音がバクバクとうるさい。その時後ろからガンッ!と大きな音が聞こえてくる。思わずビクッと肩が跳ねる。まさか···変質者?そんな考えが浮かべばもう怖くて仕方ない。でも今ここで走ったりしたら余計に刺激しちゃうんじゃないかしら?幸い近づいてくる足音は聞こえないしここは慎重に歩いて何処か適当な所で撒いた方がいいかもしれない。そう思った矢先またガンッ!と大きな音がなる。その時うっかり振り向いてしまう。そこに居たのは電柱の後ろから私を見るストーカーさんだった。私は一気に肩の力が抜ける。良かった、ストーカーさんだったのね。「ストーカーさんもお仕事終わり?」そう隠れているストーカーさんに声をかけると小さな声で「······う、うん···そんなところ」
返事が返ってきた。「そうなのね、じゃあ一緒に帰る?」ストーカーさんは慌てた様な口調で「だ、ダメだよ!···ぼ、僕はストーカーなんだからもうちょっと警戒心を·······」「でも一緒に帰った方が安全じゃないかしら?」「·······」ストーカーさんはぬっと電柱から出てくるとおずおずと私の隣に来る。凄く顔が真っ赤になっているからきっとストーカーさんも夜道は怖いのよねと軽くストーカーさんの手を握りながら帰路につくのでした。
3/2/2025, 10:14:57 AM