『やさしさなんて』お気に入りの万年筆で、ちょっと気取った飾り付原稿用紙に、名詩を筆写した。丁寧に1文字1文字書き写し、詩の世界に没入する。美しい描写に憂いを含んだその名詩は中原中也の「朝の歌」。朝は、やさしい光りのはずなのに、やさしさなんてどこへ行ってしまったのだろう。夢散った悲壮感を美しく描く、この詩を何度も何度も筆写してみて思うのは、才能と繊細さと詩へ対する想いが、熱が、違うということ。
8/11/2025, 4:03:52 AM