崩壊するまで設定足し算

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加筆修正なう(2024/11/09 12:24:13)
▶8.「意味がないこと」‪✕‬‪✕‬‪✕‬の目的

7.「あなたとわたし」の願い
6.「柔らかい雨」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形‪✕‬‪✕‬‪✕‬

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日の出が近い時間になり、
人形は自動的に休止形態から待機形態へと移行を始めた。


宿のように一定以上の安全が保証された場所では
1度バラした自分をまた組み上げるように、
時間をかけて、ひとつひとつ異常がないか点検しつつ移行する。

その間、‪✕‬‪✕‬‪✕‬の記録や博士の記憶データが不意に再生されることがある。
人間でいうところの夢に近い。


人形は薄く作られた目蓋越しに朝日を検知し、目を開けた。

自由を求めていた博士。

人を害さず、人に害されず。
その上にある自由とはどんなものなのか。

答えが記録されていない問いに‪✕‬‪✕‬‪✕‬は答えられない。
よしんば答えを見つけられたとしても、報告する相手は既に無い。


夜、人形は情報収集のため酒屋に来ていた。
旅に必要な知識は博士の叔父のデータから入手していて、現在と齟齬がないか確認するためである。

人間と話せば、旅の目的は何か聞かれることも多い。

‪✕‬‪✕‬‪✕‬は、最初こそ自由のかたちを探していると正直に答えていた。

すると当然のように、
「それ、意味あるのか?」
と返される。酒の入った人間は容赦がない。

人形は最初こそ「意味がある」「旅は私の使命だ」などと真面目に反論していたが、革命家か何かと怪しまれることも多かったため、

今は、「世界を見たい」と答えるようにしている。


人形は安全に旅を続けるために、自分の行動について軌道修正する機能は備わっているが、
自身の存在意義について問うことは博士より「意味がないこと」として禁止されている。

今の‪✕‬‪✕‬‪✕‬は博士に禁止されているからと言って、できない訳では無いと推察している。

しかし、答えが見つかっていない問いに✕‬‪✕‬‪✕‬は答えられない。

人形に出来ることは、
ただ旅をして人と触れ合い
増えた記録の検証と分析を行う
これだけである。

11/8/2024, 1:30:03 PM