いおり

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人の気分を損ねるのが怖くて
人に好意を向けられるのが怖くて
自分の弱みを見られるのが怖くて
自分がどれか分からなくなるのが怖くて
とにかくたくさんの顔を持っていた

そんな私は誰よりも弱くて
誰よりも不要な不純物で
だからとりあえず顔色を窺って
空気に流れて空気を読んで
そうやって消えてく予定だった

18の誕生日に死ねと言われたとき
もうこの環境には居られないと思った
なにかが音を立てて切れ
私の気をおかしくした
消えるものも消えきれなかった

もうなにも怖くなくて
もうなにも楽しくなくて
もうなにも嬉しくなくて
もうなにも信じないことにした

だから今は ぜんぶがおもしろいの
だからもう 今は 怖がりは居ないんだ。

_ ₁₆₆

3/16/2024, 2:23:56 PM